ありがとうございます。私たちは、2012年の創業当時、施設を持たずにスタートしました。「お2人の理想から結婚式を考える」これを実現したかったからです。
施設的な制限がない中で、理想を突き詰めようと。理想から結婚式を作っていこうと。
もちろん9年の間に、時代もお客様も変化をしていますし、今はより変化を求められていると感じています。そのため私たちもこれからも変化をしていきますが、今回はこれまでのCRAZY WEDDINGの作り方、ノウハウをお届けするということで、創業から携わっている私にとっても嬉しく、感慨深いです。

でも創業当初は、CRAZY WEDDINGのカタチって、業界関係者の方々から猛反対されたんですよ。非効率すぎるって。

１点目は、施設がない時点でサスティナブルではないということ。もう１点は、アートディレクターを抱えるということへのリスク。当時はほとんどの式場さんが、アートディレクター的役割を外注のパートナー企業に頼っていたこともあり、内製はコスト的に実現できないのでは？　と言われました。利益率が低ければ、たくさんお客さんを集めないと成り立たないし、そもそも顧客単価と合わないだろうと言われました。

他社さんだとプランナーさんが1日2組は、式を担当できると思いますが、CRAZY WEDDINGは、1日1プランナーにつき1組しかできませんから。

絶対失敗する。売れる会場を作って、何回転もさせていくのが、この業界の勝ちパターンだよと言われました。

ありがとうございます！自分たちがやってきたことすべてが正しいとはもちろん思っていませんが、長い間、施設を持たずに0〜1のプロデュースをやってきたからこそお伝えできることが、今回のe-ラーニングではあると思っているんです。
そんな私たちも2019年、CRAZY WEDDINGが約1,000組のプロデュースをさせていただいた経験をもとに、その時代に求められる新たなスタイルで結婚式ができる会場として表参道にオープンした『IWAI OMOTESANDO』の存在から、ようやくブライダル業界の方たちとの距離が近づいてきた気がしているんです。

結婚式の実施率が下がっているのは、招待された側が「いい結婚式だった！」と感じるものが少ないというのはあるかもしれません。そんな状況がコロナで更に加速して、業界全体が改めて「いい結婚式とは？」と考え始めています。
私たちは昨年「祝いびとの夜明け〜結婚式ってこの先どうなっていきますか〜」という業界の方向けのイベントを実施したのですが、そこで気付いたのが、新規獲得やマーケティングのノウハウは体系化されているのに結婚式のプロデュースに関するノウハウは全く体系化されていない、ということでした。

最初は当然、体系化されてはいませんでした。会社も私もたくさんの結婚式を施行していく中で『こうだからこうなる』というのが説明できるようになり、そのメソッドがきちんと体系化され、社内教育を通じて浸透しています。

お客様が例えば「この演出はやりたくない」と言っている本意を知らないと本当にお2人やゲストの心に響く結婚式は作れないと思っているんです。例えばご家庭内の人間関係や、場合によっては離婚・死別など、他社さんではタブーにしていることにも丁寧に、寄り添うようにヒアリングしていきます。私たちはそれを知ることが、価値あるご提案をしていく土台だと考えているからです。

そう言っていただけると、とても嬉しいです。私たちはお客様からヒアリングしたエピソードを、カメラマンやシェフ、サービススタッフにも全て共有するんです。あつみさんからも、よくお褒めいただく実施行のスナップ写真も、その象徴かなと思います。例えばご両親と仲が悪かった花嫁さんが、お父様と歓談している。そうしたシーンはそのエピソードを知っていれば特別な1枚になります。

箱もない、人件費もかかるという、経営的には圧倒的に非効率なモデルの中で創業当初に一気に広がったのは、マーケティングコストが抑えられた点も大きかったです。クリエイティブ性の高い写真や動画によって、集客だけでなく採用も非常にローコストで進みましたから。

創業当初に考えていたことは、結婚式場という箱があると、どうしてもその制限の中でできることを考えてしまう。ということでした。私達は箱を持たなかったからこそ理想を貫き、施行を重ねる中でそのメソッドを『コンセプトウェディング』として体系化することができたんだと思います。
先ほど、吉田も話していましたがコンセプトウェディングを追求してきた結果、結婚式場でも本質的で価値あるサービスが届けられると思い、IWAI OMOTESANDOを創ったので、今では式場があっても私たちがお客様に届けている本質的価値は間違えなく届けられると確信しています。